「それではこれより『豆まき頂上決戦・鬼バーサス神様』―


「『鬼がいつまでも外に追いやられてると思うなよ!!
……の説明を始めます」


(怖ぇええええ……)


鬼種の方々が引っ張りだこの日―その弐


「競技場所はこの廊下をそのまま使用、左右には逃げられず、前後のみの攻防で争います。
チームは我々『
オニオニチーム』と、源司さんを中心にした『カミサマチーム』に分かれ、君達は我々に豆をぶつけて怯(ひる)ませ、その間に我々二人のどちらかの虎パンツを奪い取ります」

「見事鬼から虎パンツを剥ぎ取る事ができればカミサマチームの勝ち。 ぶつける豆が無くなった時点で虎パンツを取られてなければオニオニチームの勝ちだ。 ちなみに豆をぶつけられたら5秒間、鬼は動きを止めなければならない事とする。 当然こちらは二人で連携を取って互いのパンツを守る。 ……とまぁ、こんな感じでどうですかな?」

「成る程、一方的に鬼種の方々に豆をぶつけるこの風習は正直好きではなかったのですが、勝敗を決すると言うのであれば面白そうですな!」


「食うなよ!!!」

「そうそう、敗者チームは勝者チームの前で全裸盆踊りの刑に処せられますので」
「ホウ……望むところですな!」


「嫌だァああああああああ!!!!!」
「まぁ落ち着け虎鉄、俺に必勝の秘策がある」

 ごにょごにょと店長に何やら耳打ちするにろさん。 

 一方、カミサマチームこと、トラトラチーム・トラトラ抜き。 実はこちらのチームには大問題があった。

 互いにたいして仲が良くないのである。

 このメンツの共通点は『店長と知り合いである事』、つまりは店長を中心とした集まりなのである。
 その中心がいなくなってしまっては、会話もままならなかったりする。

 特にナギタンコンビなど、今や完全に犬猿の仲になってしまっている。

どうなる、頂上対決!? どちらのサービスショットが全開になるのか!!?


「では、スタート!!」


「うらぁあああああ!!!!!」

 にろさんの号令と同時に飛び出すナギタンコンビ!! 完全に息が合っている!
 どうなっているんだ!!? そんなに店長の全裸盆踊りが見たいのか!!?
 貴様らの純愛は、所詮劣情まみれだったのか!!? 見損なったぞ!!!

<二人の頭の中を覗いてみよう★>

「これだぁあああああ!!!!!」

 大丈夫だった! アホな子のままだった!!!(笑)


が!

ズガガガガガガガガ!!!

ニッ

全弾見事に撃墜!!!

 かつて世界で他の追随を許さなかったと言われる伝説の種族、これが鬼種の力なのか!!!?

 が、こちらのメンツも伊達じゃない!!!


本気モォオオオオオド!!!!!


 スタッとにろさんの背後に着地する師範!
 前方からはナギの豆攻撃! 当たれば5秒間の停止!! 

「(マズイ……ッ!!)」

 後方から一気に距離を詰める師範! にろさんには防ぎようが無い!!
 ここは店長がサポートにまわらなければならないが、当の本人はチラリが恥ずかしくて座ったままだ!!!

 にろパンツに師範の手が伸びる!!!

「叔父上殿、頂きましたぞ……!!!」

 と、

「こ……幸志朗(こうしろう)さん……」

 何やら小さな囁き声が師範の耳に届く。


「……え……?」

「あの……こ、幸志朗さん……」

カァアアアアアアッ……!!!



師範脱落!!!

「こ、今夜は……ホームランです……ゼ……(ガクッ)」

「タンさん……!? タンさぁあああああん!!!

「……良ければどうか、名前で……呼んでください……(ポッ)」


「(あのバカ中年(←3つ違い)、つまんねぇ手に引っかかりやがって……!!!)」

しゃあねえか……じゃ、俺もたまには……


本気モードでやってみるか……

「あの……お、お兄ちゃん……」



「………………ナヌ……?」

「むっ、無理しないで……ね、えと……お、お兄ちゃん……?」

ウォオオオオオオオン!!!!!



ナギ脱落!!!

「あ、あの……すいません、何か……訳わかんないこと言っちゃって……」

「フ……フフ……い、良いんだよキバトラ……でも、もう一回だけさっきの言ってくんない……?」


 すっかりにろさんの手の上で踊らされる駄目っ子コンビでした。


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「まったく、駄目オオカミにも程があるわ……」
「テメェに
だけは言われたくねぇよ……阿呆ライオン」



本当に駄目っ子だ。

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